子供が眼鏡をかけているのを見るとあれこれ聞いてみたくなりますか?
実は、子供本人にさえ、その理由を正確に告げてない場合もあるのです。そのことについて知ってもらいたくて書きます。
ある日、家で過ごしているときは、全く視力に問題がなさそうなのに、「学校で文字が見えにくい」と、娘が言い出しました。
眼科に行ったところそれほど視力は悪くなかったのですが、結果的に眼鏡着用となりました。
なぜなら、娘は心因性の視力障害だったのです。
眼科医のすすめもあり、このことを本人には伝えていません。
本人に伝えてない以上、周りの人(祖父母や友人の親など)にも迂闊に言えないので、「目が悪い子」だと思われていて(もちろんそうなのですが)、久しぶりに帰省した時もあれこれ言われて大変でした。(姿勢が悪いとか、本の読みすぎとか、ゲームのし過ぎとか……)
同じ思いをしている人もいると思うので、体験談としてシェアします。
心因性視力障害とは
以前は、心理的ストレスと視力障害との関係がはっきりしているタイプが多かったのですが、最近では思春期に入ったばかりの子どもたちに、心理的な原因が必ずしもはっきりしているとはいえないタイプの心因性視力障害が増えています。視力障害は、0.4~0.6などの比較的軽い異常を示すことが多く、半数以上の子どもは本人が見えないことに気づいていません。学校の定期健康診断でみつかります。
参照元:日本眼科医会
一般的には自覚症状がない子供が多いのですね。
ちなみに、うちの子は視力検査の結果は1.2と0.8ですので、視力が本当に悪いとしても眼鏡のない生活も余裕でできるはずなのです。(ですから、本人には遠視なんだって。そのうち治ることもあるみたいだよー、と伝えてあります)
それでも、突然、やりたくない問題集の文章を指さして「この文字が見えないから読んで」と言い出します。
漫画や好きな本を読んでいるときには一切言わないのですが、本人はまったくこの矛盾に気づいてないので、私たちも指摘はしていません。
実は、心因性視力障害は8歳から12歳の子どもに最も多いのです。
女子では8~11歳に、男子では8~12歳に発症のピークがあります。
男女差があり、女子は男子の3~4倍多くみられます。
まさに、私の娘は8歳で発症したので条件にぴたりと当てはまっています。
視力は悪いにもかかわらず、眼球自体には異常は発見されません。また、視神経や網膜の電気生理学的な検査をしても、異常はみつかりません。このような子どもをよく調べてみますと、学校や家庭で心の悩みを抱えていることがあります。このストレスが、視力障害の原因と考えられています。
視力を測定してみますと、測定のたびごとに視力が違っていたり、凸レンズと凹レンズを組み合わせて度のないメガネをかけると、視力が改善することもあります。地域差はなく、ちょっとしたストレスが原因となって視力低下がおこると考えられています。
参照元:日本眼科医会
残念ながら、現段階では娘のストレスの原因がなんであるのかは私たちにもわかりません。
学校が嫌というわけではなく、勉強もそれなりに好きで、友達とも楽しくやっているからです。習い事も本人が希望したものしかやらせていませんし、どれも楽しく通っています。
眼鏡へのあこがれが強い子どもも起きやすいというので、おそらくはそれかなと思っています。
小さい頃からやたらと眼鏡をかけたがっていたので、こちらも意識して、伊達メガネやサングラスをかけさせていたのですが、それだけでは満足できなかったのでしょう。
心因性視力障害の治療方法
当然、視力そのものが悪いわけではないので、眼科では対処の方法がありません。
一般的には心因性視力障害は子供のある時期に起こる一時的な現象と言われています。
つまり、ある程度の時間が過ぎたり、問題が解決すれば治るということなので、主治医である眼科医を信じて一緒に対処していくほかありません。(我が家の場合は、「本人には伝えずに眼鏡をかけて、時が来るのを待つ」……という方針です)
場合によっては、眼科ではなくて心療内科や精神科のお世話になることもあります。
また、点眼薬が効果があると処方されることもよくあります。
暗示療法が一般的で、70~80パーセントの子供は症状が発見されて3か月以内に改善します。
多くの子は、症状が発見されてから1年以内で治ると言われていますが、これもケースバイケース。
気持ちは焦りますが我が子と主治医を信じて、ゆっくり見守っていきましょう。(別の症状も併発している場合や、より一層気になる場合はセカンドオピニオン等も検討してみましょう)
先日は、本人の希望もあり、リラックマの眼鏡ケースを購入しました。
落ち着くまでは、好きなように眼鏡ライフを楽しんでもらえればなと考えています。
本人が視力回復を望めば、視力回復トレーニングの「パソネットPC-Eye」を使ってみようと検討中です。
心因性視力障害を知らない方へ
このように、眼鏡をかけている子供にもいろいろな事情がある場合があります。
祖父母や親せき、親しい友人であろうとも眼鏡をかけている子供をみたときに、あまり根掘り葉掘り聞かないで頂けると嬉しいです。
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